鉄塔基礎工事の生産性向上を実現するプレキャスト工法 ユニコム

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ユニコムシリーズ
ユニコムヘッド:杭基礎床板部
ユニコムパッド:逆T字型基礎

特別高圧送電用鉄塔基礎の施工性向上を実現するために、標準化した基礎構造を工場生産(プレキャスト)された部材を組立てることによって構築します。

(令和5年度 一般社団法人送電線建設技術研究会 技術賞受賞)
(令和5年度 一般社団法人送電線建設技術研究会 技術賞受賞)

Point

  • 従来、現場で実施していた配筋作業、型枠設置・コンクリート打設・脱型作業が不要となるため、基礎工事工期の大幅短縮が可能
  • 工場で管理された状態で製作されるため、高い精度、品質の設備形成が可能
  • 部材同士の連結方法は、耐力試験結果に基づいて設定

ユニコムヘッド(UH)の特徴

場所打ち杭に支持された各脚独立の杭基礎の内、脚あたり1本の杭基礎を対象にしています。脚材(支圧板定着)を巻き込んで製作する脚材パーツ(内プレキャスト)部材と円筒状の床板パーツ(外プレキャスト)部材の2種類で構成されています。

仕様

仕様 表
脚材パーツ
脚材パーツ
床板パーツ
床板パーツ

施工手順

  • 場所打ち杭の杭頭部に脚材パーツ(内プレキャスト)を据付けるための据付鉄板を設置します。据付鉄板は高さ、位置、傾きを所定の精度で設置します。
  • 据付鉄板上に脚材パーツを設置します。
  • 脚材パーツと杭主鉄筋を取り囲むように床板パーツ(外プレキャスト)を上下2段設置します。
  • 床板パーツの中にコンクリートを打設して床板部の工事が完了となります。
  • 床板部が地中にある場合は、コンクリート養生前に埋戻しが可能となります。
  • 以上で基礎工事が完了となります。

    なお、ユニコムヘッドの上に柱体部を構築する必要はありません。柱体部が必要となる場合は、別途ご相談させていただきます。

施工手順 イメージ

耐力確認試験

ユニコムヘッドで構築した床板部の引抜き、押込み耐力を2体の1/2スケール試験体の載荷試験で確認しました。

  • 載荷試験状況
    載荷試験状況
  • 載荷荷重-脚材抜出し量
    載荷荷重-脚材抜出し量

施工性確認試験

ユニコムヘッドの施工時間ならびに組立精度を、実部材での施工性確認試験により確認しました。
脚当たりの施工時間: 約71分

仕様 表

組立精度

ころび精度 高さ精度 根開き精度
1.8mm 2mm 対辺 4.2mm
対角 7.9mm

工期短縮

各脚独立の杭基礎床板部の施工工期を6割程度短縮させることが可能です。

工 種 (単位:日) 従来基礎 ユニコムヘッド 短縮工期
掘削工→埋戻し工 14 6 Δ8

採用実績

66kV鉄塔基礎に採用されました。

66kV鉄塔基礎

ユニコムパッド(UP)の特徴

各脚独立の逆T字型基礎を対象にしています。

ユニコムパッドを構成するパーツは、脚材(支圧板定着)を巻き込んで製作する脚材パーツ、床板パーツ(上下方向に2分割および水平方向に2分割)、柱体パーツ(上下方向に4分割)および床板部と脚材パーツを接続するための接合パーツ(らせん筋とフープ筋)から構成されます。

ユニコムパッド(UP)の特徴 図

仕様

基礎形状 (m) 圧縮荷重
kN
床板幅 床板厚 柱体高さ
2.5 0.8 3.1 or 3.6 1500
パーツ 脚材 床板 柱体 接合 合 計
部材数 1 4 4 1 10
部材単体重量(ton) 1.0 1.7×2
1.8×2
0.4×1
1.4×1
1.5×1
0.8×1
0.1 11.9
66kV鉄塔基礎

施工手順

  • 掘削底盤に脚材パーツを据付けるための据付鉄板(脚材ベース)を設置します。据付鉄板は高さ、位置、傾きを所定の精度で設置します。
  • 4分割した床板パーツのうち下段の床板パーツを設置します。床板パーツ中央に脚材、床板、柱体部を接合する接合パーツ、脚材パーツの順で設置します。
  • 床板上段パーツを設置後にパーツ同士の鉄筋を機械式継手で連結します。
  • 床板部の上に4分割された柱体パーツを順に設置します。
  • 最下段の柱体パーツ設置後、床板パーツ中央部の空洞にコンクリートを充填します。
  • 柱体パーツ同士はそれぞれのパーツから突き出した鉄筋を、その上のパーツに設けた円筒状の空洞に差込み、空洞内をモルタルで充填することで連結します。
  • 同様に床板パーツの上段と下段は、下段から突き出した鉄筋を上段パーツに設けた円筒状の空洞に差込み、空洞内にモルタルを充填することで連結します。
  • 床板パーツ外周(地盤との間)、柱体パーツ部の中心の空洞にコンクリートを充填します。
  • 最後に埋戻しを行います。

以上で基礎工事が完了となります。

施工手順 図

耐力確認試験

ユニコムパッドの柱体部と床板部の耐力を1/2スケール試験体の載荷試験で確認しました。

パーツ 載荷方法 試験結果
kN
柱体 引張曲げ試験体 1550
(1.2倍)
曲げ試験体 211
(1.1倍)
床板 押抜き試験体 1716
(1.4倍)
引抜き試験 1707
(1.3倍)

注:( )内は設計耐力に対する比率

  • 柱体部引張曲げ試験
    柱体部引張曲げ試験
  • 床板部押抜き試験
    床板部押抜き試験

施工性確認試験

ユニコムパッドの組立ての施工期間を施工性確認試験結果を踏まえて評価しました。
1基あたりの基礎プレキャスト材の組立施工期間: 6日間
また、基礎材据付は、根開き、対角、ころびを各社が設定する許容誤差内での設置が可能。

  • 施工性確認試験
  • 施工性確認試験

工期短縮

逆T字型基礎の施工工期を3割程度短縮させることが可能です。

工種(単位:日) 従来基礎 ユニコムパッド 短縮工期
掘削工→埋戻し 25 17 Δ8

採用実績

仮鉄塔基礎に本工法が試験適用されました。(電気新聞2025.9.17)

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