表面ひずみ法によるPC鋼材残存緊張力の推定PC道路橋の劣化診断技術
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表面ひずみ法とは、PC桁の表面のひずみやひび割れ幅の計測から、自動車走行時に橋軸直角方向のひび割れが開口する挙動を捉え、PC鋼材の残存緊張力の推定を行うことで、劣化の程度や対策の要否の判定を行います。
※2022年10月、国交省性能カタログに掲載されました。
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Point
- 構造を傷つけずに圧縮応力を推定することができる手法。
- PC 鋼材の経年劣化を確認することが可能。
- 汎用計測器・光ファイバを利用することで低コストを実現。
PC道路橋の劣化診断技術の概要
橋軸直角方向のひび割れが生じたプレストレストコンクリート桁を対象
主桁の長さの直角方向(橋軸直角方向)にひび割れが生じているという前提ですが、そうしたひび割れを利用し、コンクリートに圧縮応力を導入しているPC鋼材の引張力を推定するものです。
普段比較的軽い自動車が走行している状態では閉じているひび割れが、ダンプカーなど重い自動車が走行する時に、残っている圧縮応力よりも大きくなった引張応力によって開く動きを測定して、PC鋼材の引張力を推定します。
この方法では構造物を新たに傷つけることなく、同じ開所で繰り返して圧縮応力を推定することができ、PC鋼材の引張力がさらに低下する状態を追跡すること、すなわち経年劣化の確認なども可能です。
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ひずみゲージとπ型変位計を用いた計測
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光ファイバとひずみゲージを用いた計測
PC道路橋の劣化診断技術の特徴
- 低価格(汎用計測器を活用)※実費は条件により変動
- 高推定制度を実証済み
- 非破壊検査手法 ※橋直角方向のひび割れを利用
- 同一箇所で繰返して計測可能
- 緊張力の経年変化を監視可能