ピンポイントで暑さ指数を短時間で予測、熱中症を防ぐ 熱中症対策シミュレーション

  • 防災

当社は神戸大学および都市丸ごとのシミュレーション技術研究組合と共同で、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が開発したMSSG(メッセージ)※1を活用し、非常に細かな地点における温度、風速、暑さ指数などを短時間(1日程度)で計算、熱中症対策に活用するシステムを開発いたしました。

※1 MSSG(メッセージ:Multi-Scale Simulator for the Geoenvironment)は、スーパーコンピュータ(地球シミュレータ、海洋研究開発機構)を使って、高解像な温度、風速、湿度、気圧、放射熱などを計算し、暑さ指数(WBGT)を算出する。

https://www.jamstec.go.jp/namr/project05.html

実在街区(約2km×1.5km)を対象に予測した暑さ指数の分布

高解像な微気象計算

通常、暑さ指数※2は、市町村の領域(例えば、東京・八王子、群馬・前橋 など)で1時間単位で予測結果が示されることが多いですが、MSSG は空間解像度 5m、時間解像度 10 秒のような極めて高解像な微気象計算を行うため、温度、風速、暑さ指数などの細かな時間変化を予測でき、発電所や工場の屋外作業のみならずテーマパークやイベントなどさまざまな場所、シーンでの熱中症対策に利用できます。

※2 暑さ指数(Wet Bulb Globe Temperature: WBGT)とは、熱中症予防を目的に提案された指標。人体と外気との熱収支に着目した指標であり、気温だけでなく、湿度や周辺の熱環境の影響を受ける。

https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

  • 実在街区を対象に予測した温度分布(13:00時点)
  • 実在街区を対象に予測した風速・風向分布(13:00時点)

実在街区を対象に予測した暑さ指数の分布(13:00時点)

PLATEAU から MSSG 用入力データの自動作成

データの自動変換・統合技術として、国立研究開発法人理化学研究所により、 DPP(Data Processing Platform)が開発されています.今回、神戸大学および都市丸ごとのシミュレーション技術研究組合とともに、国土交通省の PLATEAU ※3データを DPP に読み込み、MSSG の微気象計算に用いる入力データを、ほぼ自動で出力するシステムを開発しました。このシステムを利用することで、全国で整備が進められている PLATEAU データから任意の計算領域の土地利用区分、建物高さ、地表面高さ、樹木高さを抽出し、MSSG での微気象計算を実施できます。

なお、MSSG による熱中症シミュレーション結果の精度確認やさらなる高度化は、SIP プロジェクト(内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム スマートインフラマネジメントシステムの構築)の一環 ※4で、都市丸ごとのシミュレーション技術研究組合とともに実施しています。

※3 PLATEAUとは国土交通省が主導する日本全国の都市デジタルツイン実現プロジェクト。誰もが自由に都市のデジタルデータを引き出せるよう、3D 都市モデルをオープンデータとして提供する。

https://www.mlit.go.jp/plateau/

※4 SIP研究課題の詳細(サブ課題、テーマ、題目)は次の通り.
サブ課題D:サイバー・フィジカル空間を融合するインフラデータベースの共通基盤の構築と活用
研究開発テーマ:「デジタルツインの運用基盤の構築」「多様なインフラデータを自動変換する基盤技術の開発」
研究題目:「都市の微気象シミュレーション」

https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/sip_3/keikaku/09_smartinfra.pdf

PLATEAUから抽出したMSSG用都市データ(土地利用区分)
  • PLATEAUから抽出したMSSG用都市データ(地盤標高および建物標高)
  • PLATEAUから抽出したMSSG用都市データ(樹木高さ)

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